グラン・ブーケ

運動会ピストル音に関する活動 最終報告

運動会の火薬ピストルの破裂音を怖がる児童がいる、学校にどのようにどこまで配慮を求めていくか、悩む保護者さんがいる、そうしたことをきっかけに始まった運動会のピストル音に関するアンケート調査。各地域の親の会さんを通じて、北は北海道から南は九州の方からご回答が届きました。

感覚への感じ方は主観的であり、また、その場の状況に応じて過敏性が変動する(例:不安をもつ場面だとよけいに過敏性が増す等)ので、「これ」という絶対正解の対処法があるわけでないという難しさもあります。保護者の体験談からは、お子さんの同じ経過はひとつもなく、見守るだけで通過したお子さんもいれば、小中9年間かけてすこしづつ運動会の音に慣れていったお子さんもいらっしゃいました。家庭や学校がお子さんのそのときの様子に応じた対応を相談や話し合いのなかで模索した背景が見えるようでした。

また、ひとつひとつの学校へのお願いごと、相談ごとをすることが発達凸凹キッズの保護者にとって決して気軽なものではないのだという印象を感じました。アンケート事例の回答でも、「担任の先生に、”子どもがもしかしたら音でパニックになるかも”と知っていてもらうだけでも安心した。担任の雰囲気は大事だと思う」という声がありました。何か具体的にしてもらうということが相談のゴールではなく、子どもの特性を「知ってもらって、理解してもらって、見守ってもらっている」ことであっても保護者にとって十分な安心材料となりえることもあります。

本日、北区議会議員のこまざき美紀さんのご案内で、北区教育総合相談センターに行ってまいりました。学校での合理的配慮について所轄するところになります。

アンケートの結果を『知ってほしい、聴覚過敏と運動会のピストルの音』というパンフレットにまとめ、運動会のピストル音で困っているお子さんについてグランブーケ内のケースやアンケート各地からのケースの紹介をさせていただきました。

センターの方からは、

学校の先生方には、研修や事例を通じて感覚過敏のお子さんについての知識を積んでいただいていること

もし相談してもらえたら対応策を一緒に考えるし、担任の先生だけでなくスクールカウンセラーさんや養護の先生に相談していただいても大丈夫なんですよ

という力強いお言葉をいただきました。

学校がそういう体制、そういう構えでいてくださると知って、ありがたく思いました。それでもやはり改めてお願いを重ねたのは、

安心して相談していいんだ、相談できるんだということが保護者に伝わる方法はないでしょうか。情報として発信していただけないでしょうか」

という点でした。そのご回答として、毎春に配布している特別支援教育に関する区内各家庭への配布資料に合理的配慮に関する記載を追記する方向でご検討くださるとのことでした。

パンフレットに掲載されている東戸塚小学校さんの『電子ピストルは、火薬ピストルのようなゴミが出ないので環境にも良い』という点を推したものの、今回は一律の対応をお願いすることが目的ではないため、なにかしらの具体例な結論には至りませんでした💦

(最後に)

グランブーケをやっているからこそ会員さんから教えていただいたさまざまなご体験やご心情を今回のような形で教育現場の方にお伝えしたはじめてのチャレンジでしたが、研究・調査+実践の結果をこうしてパンフレットと嘆願という形で終わることができたことを嬉しく思います。ご協力くださいました北区議会議員のこまざき美紀さんに深く感謝申し上げます。また、電子ピストルの採用事例校としてのパンフレットへの掲載のご許可をくださった帯広市の川西小学校横浜市の東戸塚小学校の校長先生をはじめご対応くださった先生方に心より感謝申し上げます。”多様な児童が生きやすい環境が進みますように”とのあたたかい励ましのメッセージに胸が熱くなりました。また、アンケートにご協力いただきましたグランブーケ会員の皆様、葛飾区の未来えんじんさん、北区のNっ子の会さん、発達凸凹の子をもつ親の会を通じて国内各地からアンケートにご協力いただきました保護者の皆様、本当にありがとうございました!!

⇒パンフレットのフルダウンロードは、こちらから。メディアにご転載の方はご一報ください。冊子での配布をご希望の方は、メールにて(kaoriwat2@gmail.com)ご相談ください。

9月30日9時半から10時半まで、パンフレットには掲載しきれなかった本件アンケートの回答事例を紹介することを含む報告会を開催します。ご参加希望の方は、こちらからお申込みください!!!

グランブーケ 渡辺 香織

「運動会ピストル音に関する活動 最終報告」への2件のフィードバック

  1. お世話になっています、山口です。お声がけ下さったのに体調不良で脱けることになり失礼しました。先日息子が電車内で乳児の泣き声にうるさい!と耳を塞ぎ、お互い様なんだから我慢しなさい、とつい説教をし言い合いになったばかりです。パンフを読み反省しました。自分では小さな一つの声と思っても、実は同じように悩みを抱えた人はきっといて、束ねたら大きなうねりの声となった、まさにグランブーケだなぁと感動しました。

    1. こんにちは、いつも会にご参加ありがとうございます。その後、体調はいかがかなと気にしていました。調子が良くなりましたら、また一緒にいろいろやりましょう!
      感覚の過敏性という、本人以外は正確には理解しにくいことを、親や学校がどう理解し、寄り添い、サポートしていくかというのは、我ながらなかなか難しいことき切り込んだなと思っています。調査中は教育者や療育者、医師など、様々なお立場の方からいろいろ異なるご意見をいただきました。言い換えると、過敏性のあるお子さん自身の過敏性の表出に対していつもそのように様々な立場からのニュアンスの異なる対応を受けているのかなという風に想像しました。そう思うと、親は親としての立場を貫いた対応をしたいなと個人的には思いました。どんなときも最大の味方であると子どもが感じられる存在でいたいなと思いました。話がなんかずれましたねw
      また会にいつても遊びに来てくださいね^_^

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