グラン・ブーケ

心がもどる場所

 先日、公私ともに考えることが山積みになったある日の仕事の帰り電車の中で、ぼーっとしているのにいろいろな雑念が頭の中飛び交ってしまい、おもわず

”ああ、脳が疲れる!!”  

と思いました。

最近の脳科学で研究されている領域に「デフォルトモードネットワーク」というものがあります。従来、ヒトの脳は「話をする」「走る」などの意識的な活動を行うときにのみ活発になり、それ以外の場合には休んでいると考えられてきましたが、最近の研究の進展により、ぼんやりしているときも活性化している神経回路があることがわかりました。これが「デフォルトモードネットワーク」なのだそうです。

 よく、ぼーっととりとめもなく歩いているときや、ぼーっと過ごしているときに、ひらめきがあったりするのはこの働きと関係があるみたいなのです。しかし、メリットばかりではありません。「デフォルトモードネットワーク」はなんと脳の総エネルギーの60~80%を占める大食漢で、働かせすぎると、脳のエネルギーが底を尽き、疲れを感じやすくなってしまうのだそうです。

 というわけで、わたしの脳ももしかしたら、デフォルトモードネットワークが働きすぎてしまってる状態だったのかもしれません。

週末に、てくてくと散歩をしました。濃い緑が目に入って、心地よい風が身体にあたり、とにかく歩く、歩く。

飛鳥山のあたりから歩きはじめ、気が付いたら荒川まで来ました。心がしーんと音をたてなくなって、もどるべき場所に戻れたようです。

心がいつもの場所から離れて迷子になってしまっても、だいじょうぶ。

もどる場所があるということが自分に自信を与えてくれますね。

 さて、この「デフォルトモードネットワーク」は、ASDとの関係が名古屋大その他の研究で明らかになっています。成人の定型発達の人とASDの人の安静状態の脳活動パターンを比較したところ、有意な差が見いだされたとのこと。デフォルトモードネットワークの視点から、自閉症スペクトラム傾向のある人の心の理論や社会性認知の困難を研究したり等、ASDの知見がこのような脳科学の観点からも進んでいるとのことです。

参照:

名古屋大らの研究の詳細はこちら

「デフォルトモードネットワークから脳を見る」大阪大学大学院 苧阪満里子

〇「脳波に基づくDefault-mode networkから迫る発達障害の神経基盤」山形大学 大村一史氏

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